qspds996

揺動メディアについて。場所と風景と映画について。

『自撮り棒×怨念動画』2016年


【公式】自撮り棒×怨念動画

 

國宇克信(エグゼクティブプロデューサー)

佐藤宙史(プロデューサー)

 

自撮り棒に付けたスマホで撮影された心霊動画5本を収録したオムニバス。第2話「怨念の専門学校」と第4話「恐怖の女子会」には、動画共有サイトSNSに投稿するため自撮り動画を撮影する人物が登場する。

背後に霊が写っているが撮影者自身は気づかないという展開の反復や、興味の対象にカメラを向けるために撮影者が大きく身体を反らす動作など、「自撮り棒で撮った」という制約が物語や画面設計にどのように影響するのかが窺え興味深い(ただしそれが上手く「恐怖」に結びついていないのが難点)。

誰でも映像の編集・加工ができる時代になって心霊映像は訴求力を失ったという風潮に反し、「スマホが普及して以来、送られてくる動画の数は増している。簡単に撮ることができるからこそ、簡単に写り込んでしまう」と断言するナレーションが頼もしい。 

 

自撮り棒×怨念動画 [DVD]

自撮り棒×怨念動画 [DVD]