キム・ジウン、 イム・ピルソン『人類滅亡計画書』2012年
第1話「素晴らしい新世界」(イム・ピルソン)、第2話「天上の被造物」(キム・ジウン)、第3話「ハッピー・バースデイ」(イム・ピルソン)から成るSFオムニバス。
第3話「ハッピー・バースデイ」では、小惑星の衝突を前にした人類のパニックと、ある家族の絆の再生が描かれる。小学生のミンソは、ニュース番組に映し出された小惑星がビリヤードボールのような色・形状をしており、さらには側面に「qkr0109」と刻まれていることに驚く。2年前、彼女は父親のためにネットでビリヤードボールを注文し、その際に使用したアカウントが「qkr0109」だったのだ。
ネットショッピングのつもりが宇宙人(?)と交信してしまうという荒唐無稽な物語だが、もっともらしい説明や理由づけをすることなく、勢いだけで押し切ろうとする姿勢が清々しい。