キム・グァンシク『ゴシップサイト 危険な噂』2014年
チラシ(裏情報を流す情報誌)によるゴシップ記事の標的となり、不可解な自殺を遂げた女優ミジン。彼女と二人三脚で歩んできたマネージャーのウゴンは、事件の真相を探り、ミジンを死に追いやった黒幕に復讐を果たそうとする。
物語の背景には、韓国で実際にゴシップ記事やネットの誹謗中傷を苦にして著名人が自殺する事件が多発しているという切実な事情があるだろう。ただし作中で「悪」として描かれるのは主に大企業や政府であり、ウゴンはチラシを発行する小規模な編集部や有象無象のネットユーザーを味方につけることで権力との戦いに挑む。ゴシップ誌やネットは善悪両面を持ち合わせた両義的なものとして描かれている。