ラファエル・フリードマン『WTF』2014年
スケッチと呼ばれる過激なイタズラ動画で知られるフランス人、レミ・ガイヤールが本人役で主演したコメディ。サッカーの出場選手のふりをして試合前の国歌斉唱に参加したり、着ぐるみ姿で警察にちょっかいをかけたりと、定職にもつかずやりたい放題を続けていたガイヤールだったが、恋人にイタズラ動画の制作を止めるよう言われ、平凡なセールスマンとして腑抜けた生活を送ることになる。
映画は上記のようなドラマパートと、普段のイタズラ動画を紹介するパートとで構成されている。ガイヤールの犯罪すれすれな行動にはただでさえ多くの批判が寄せられているが、恋人や仲間たちが迷惑を蒙り、苦悩する姿が描かれるドラマパートが挟まれることで、イタズラの迷惑さが却って強調され、笑うに笑えない重苦しさがつきまとう。『スモッシュ』(2015年)や『ヘイターはお断り!』(2016年)と同様、YouTuber的な美学と映画の美学が容易には相容れぬものであることを証明してしまっている一例である。
タイトルは「What the fuck」を意味するネットスラング。