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揺動メディアについて。場所と風景と映画について。

スコット・B・ハンセン『ポゼッション・エクスペリメント』2016年


『ポゼッション・エクスペリメント』 予告編

 

宗教学を学ぶ大学生ブレンダンは悪魔祓い(エクソシスム)を研究課題として選び、調査の過程を動画ブログで逐一公開することに。同じ授業を受けている学生クレイ、SNSで知り合った医大レダ等と20年前に惨劇が起きた屋敷に赴き、自らの身体に悪魔を憑依させる儀式のライブ配信を敢行する。


除霊の様子をライブ中継する試みとしては『着信アリ』(三池崇、2004年)等の先行例があるものの、悪魔祓いとネットのライブ配信を結びつけるアイデアにはちょっとした新鮮さがある。SNSを通じた告知や資金集め、野次馬のコメントや宗教団体からの批判、配信を見守る黒幕めいた人物……と、悪魔祓いを密室劇に留めずひたすら大風呂敷を広げていく序盤から中盤までは期待を持たせるが、事態が本格的に動き出すと凡百のエクソシストものと代わり映えしなくなり、ネットやライブ配信といった要素も脇に追いやられてしまうのが惜しい。

 

ポゼッション・エクスペリメント [DVD]

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