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揺動メディアについて。場所と風景と映画について。

映画

『ジャスティス・リーグ』について

JUSTICE LEAGUE - Official Trailer 1 映画を見るモチベーションががっつり下がっている。原因はもちろん『ジャスティス・リーグ』を見てしまったから。いや、優れた3D映画は原理的に見ることができない(涙でメガネが曇るから)。この後、いかなる映画が自…

清水増夫氏インタビュー「文化のための映画制作支援──鳥取から、地域と映画の理想的関係を考える」

鳥取コミュニティシネマの清水増夫氏にインタビューをしました。大都市圏の映画文化とも、シネコン文化とも異なる映画との関わり方があるのだということを、多くの人に読んで知ってもらえると嬉しいです。 「文化のための映画制作支援──鳥取から、地域と映画…

トポフィル新刊『人間から遠く離れて──ザック・スナイダーと21世紀映画の旅』

トポフィル5冊目の書籍が刊行されます。『300〈スリーハンドレッド〉』『ウォッチメン』『エンジェル ウォーズ』『バットマンvsスーパーマン』など、数多くの問題作を世に送り出してきた異形の映画監督、ザック・スナイダーを中心に据えた、21世紀ハリ…

2016年に見た新作映画ベスト10

今年は1月〜2月のメモをなくして記憶喪失状態になっており、見た映画の正確な本数が分からない。3月以降のメモを確認すると新作/旧作と劇場/自宅合わせて124本見ているようで、去年の1/3〜半分以下になってしまいました。環境が激変したので仕方ないのかも…

上映&トーク「風景/映画再考」

10月15日(土)に原將人氏とMAORI氏、10月16日(日)に比嘉賢多氏を鳥取にお招きして、SAKAE401で上映&トークイベント「風景/映画再考」をおこないます。 映画は「かつてあった」場所を記憶し、「来るべき」風景を映し出す。 日本と映画の起源をめぐる旅を…

ポール・シュレイダーの「超越的スタイル」

聖なる映画―小津/ブレッソン/ドライヤー (1981年) 作者: ポール・シュレイダー,山本喜久男 出版社/メーカー: フィルム・アート社 発売日: 1981/02 メディア: ? この商品を含むブログを見る ポール・シュレイダー『聖なる映画——小津/ブレッソン/ドライヤー…

ネット映画は曲がりなりにも成熟しつつある/レヴァン・ガブリアゼ『アンフレンデッド』

www.youtube.com 泥酔動画をウェブにアップされたことを苦に自殺した女子高生ローラ・バーンズ。一年後、イジメの加害者たちにSkypeやFacebookを通じて接触してきたのは、死んだはずのローラを名乗るアカウントだった。そのアカウントは彼らが隠し持つ秘密や…

『バットマンvスーパーマン』についてのメモ

Batman v Superman: Dawn of Justice - Official Final Trailer [HD] 『Batman v Superman: Dawn of Justice』(バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生)の鑑賞前、Twitterに次のようなことを書いた。 ザック・スナイダーは「スーパーマンの実在を…

2015年に見た新作映画ベスト20

2015年に見た新作映画のベストです。『スターウォーズ』観終えたので追記しました 今年見た映画は新作/旧作と劇場/自宅合わせて320本。ベストの最初の5本は、未知の何かを見せてくれたもの、ひたすら遠くまで連れて行ってくれたもの。しばしば映画を見てい…

『ハッピーアワー』と集会室的空間

濱口竜介の最新作『ハッピーアワー』の公開が始まっている。これまでの作品と同様、様々な切り口から語ることのできる(語りたくなる)魅力的なフィルムだ。わたしも個人的な関心から、本作について少しだけ書いてみたい。 映画『ハッピーアワー』予告編 - Y…

いま、個人映画を観るということ(三)いまこそ飯村隆彦を読/見直す

11月23日(月・祝)の文学フリマで頒布される同人誌『ビンダーVol.3』(特集「ゴダール&gdgd妖精s」)に参加しています。ブースはキ-05〜06。私は連載「いま、個人映画を観るということ」の第3回「いまこそ飯村隆彦を読/見直す」を書きました。 飯村隆彦と…

チェーンブレイカー

私が脚本を担当した映画『チェーンブレイカー』(ワタナベカズキ監督)の上映が11月におこなわれます。自作以外の脚本を書いたのは初めて。どんな作品になっているのか、今から楽しみです。 三代川達 第10回上映会 base ten number system 11月7日(土)、8…

佐々木友輔 新作上映[Epoch]

22日(日)の回は定員に達しましたため、受付を終了させていただきました。 当日券扱いにて、作品をご覧いただくことは可能ですが、ご予約の方を優先でお通ししますので、少々見づらい(3D効果が得づらい)座席になってしまうかもしれないことをご了承くださ…

「動画の時代」の「映画批評」はいかに可能か——「ポストメディウム的状況」を考える

限界研の新刊 『ビジュアル・コミュニケーション』の刊行記念トークイベントに参加します。 11月17日(火)19:30〜、ジュンク堂池袋店にて開催です。 ビジュアル・コミュニケーション――動画時代の文化批評 作者: 限界研,飯田一史,海老原豊,佐々木友輔,竹本竜…

誰もが映画監督(映像作家)になり得る時代

まったく新しい時代の始まりだ。 わたしたちはいま、誰もが映画監督になり得る世界に生きているのだ――。 このような希望に満ちた言葉が唱えられるようになったのは、一体いつ頃からだろう。つい最近のことのように思う者もいるかもしれないが、実はその歴史…

ビンダーVol.2《特集|トランスフォーマー》

5月4日の文学フリマで発売される批評誌『ビンダーVol.2《特集|トランスフォーマー》』(目次)に参加しています。 わたしはマイケル・ベイ版トランスフォーマー・シリーズへの愛を込めた「トランスフォーマー追悼」と、「いま、個人映画を観るということ」…

原將人監督『あなたにゐてほしい』について

あなたにゐてほしい予告編【8フィルム編】劇場公開版 - YouTube 風景映画『初国知所之天皇』や『20世紀ノスタルジア』で知られる原將人監督による新作『あなたにゐてほしい』の公開が始まっている(ポレポレ東中野にて、2015年1月31日~2月13日まで)。筆者…

2014

そろそろ2014年も終わりですね。 今年はneoneoでの連載やトポフィルでの書籍刊行など、テキスト執筆に多くの時間を掛けた年でした。その分なかなか長編制作に取り組めなかったのですが、最近ようやくアイデアが固まってきて、久々の新作に取りかかろうとして…

「+ 2014」@Art Center Ongoing

Art Center Ongoingでおこなわれていた「+ 2014」という上映会を観てきた。会場では[+]という映画上映運動のDVD+ドキュメント集の先行予約販売を受け付けていて、一冊購入。前回このblogでとりあげた「「実験映画」への疑義、その歴史的前提」というテキ…

「実験映画」という語をめぐって

以下、Twitterから少々修正して転載。 「実験映画」への疑義、その歴史的前提 | Blog 「「実験映画」への疑義、その歴史的前提」。その前提、問題意識には同意するけれど、ここで挙げられている作家たちが本当に「実験映画」的文脈を回避し得る活動を展開で…

テレンス・マリック&ジェームス・ブロートン

James Broughton - This Is It - YouTube まるでテレンス・マリック『ツリー・オブ・ライフ』の元ネタであるかのような短編作品を見つけた。制作者は詩人・実験映画作家のジェームス・ブロートン。裸体だらけの陽気な映画詩をつくる作家だけれど、こんなもの…

リヴァイアサン――おそるべき、無邪気な映画

映画『リヴァイアサン』予告編 - YouTube ヴェレナ・パラヴェルとルーシァン・キャステーヌ=テイラーによる共作『リヴァイアサン』を観た。以下、乱雑ではあるが備忘録として直後の感想を記しておく。 紹介文には、「マサチューセッツ州のニューベッドフォ…

ジルベール・コアン=セア『映画哲学の諸原理に関する試論』

フィルモロジー―映画哲学 (1980年) (エピステーメー叢書) 作者: G.コアン=セア,小笠原隆夫,大須賀武 出版社/メーカー: 朝日出版社 発売日: 1980/06 メディア: ? この商品を含むブログを見る (1)ジルベール・コアン=セア ・Gilbert Cohen-Séat ・1907年生…

我々はテクノロジーではない

映画『トランスフォーマー/ロストエイジ』最新映像第2弾 - YouTube 映画『トランスフォーマー/ロストエイジ』公式サイト ※少々ネタバレ有り 『トランスフォーマー/ロストエイジ』を観たが、まだうまく事態を理解できていない。前三部作とはキャストが一新…

郊外映画の風景論 #4 と「伊藤剛さんによる「ファスト風土」を描かない漫画」議論について

Camera-Eye Myth/郊外映画の風景論 #04 Mothers(1)/Isotopia/イゾトピックな白壁の裏 http://webneo.org/archives/22812 以下、Twitterより(一部改変)。 この連載、映画に郊外論という外部(とみなされがちなもの)を持ち込んでいるため、所謂「素朴な社…

〈風景映画〉から〈場所映画〉へ

2014年11月に、トポフィルより『土瀝青——場所が揺らす映画』の刊行が決まりました。以下の論考「〈風景映画〉から〈場所映画〉へ」も同書に掲載していますが、刊行後もこちらのブログ記事はそのまま残しておく予定です。書籍の「試し読み」として、ご覧くだ…

二種類の幽霊、二種類の霊媒——揺動メディアとしての映画論

批評誌「ART CRITIQUE n. 04 メディウムのプロスティテューション」に、拙稿を掲載していただきました。2014年5月初旬発売予定とのことです。 このブログで断片的に書いてきた「揺動メディア論」の実践、といった内容です。固定カメラ(およびその応用である…

Camera-Eye Myth/郊外映画の風景論

neoneo web|Camera-Eye Myth / 郊外映画の風景論 第1回 neoneo web|Camera-Eye Myth / 郊外映画の風景論 第2回 ドキュメンタリーを中心としたカルチャー情報・批評を発信する「neoneo web」で、短編動画と論考をセットにした連載を始めることになりました…

フェイクドキュメンタリーとして『ホビット』を観る

先月の「速度の映画について」に引き続き、Book Newsにハリウッド映画論第三弾となる「フェイクドキュメンタリーとして『ホビット』を観る」を掲載していただきました。タイトルは少々挑戦的ですが、その割には意外と?地に足をつけた内容になっているのでは…

映画批評MIRAGE 6号

映画批評誌「MIRAGE」6号に、インタビューと拙論「生まれたときから揺れていた ― 揺動映画への招待」を掲載していただきました。映画研究者の村山匡一郎氏と名前を並べていただいて光栄ですというか恐縮ですというか……なのですが、ともかく、ぜひ手にとって…